(旧)カクかく

いつも側に寄り添っていて、人生を豊かにしてくれる文房具。そんな素敵な文房具をゆるく紹介します。

インクの新しい楽しみ方「インク蝶」

先日、名古屋駅からほど近い場所にある、オリジナルのリングノートが作れてスペシャリティコーヒーが飲めるお店の「NO DETAIL IS SMALL」さんで新商品のワークショップに参加してきました。

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インク実験・研究ワークショップ

早速新商品の紹介をします。
商品名は「インク採取」です。
万年筆のインクは、文具店オリジナルのインクも数えると何千色にもあり、お気に入りのインクを管理するするのに「インク台帳」で管理している人も多く見えます。
今回発表された「インク採取」は、基本コンセプトはインク台帳ですが、楽しく・より深くそのインクの特性を把握できるようになっています。

製品情報

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パッケージ外観

  • 発売予定:2020年1月
  • 販売価格:1,800円(税別)
  • 内容物:
    インク採取濾紙6面2シート
    インク採取記録4シート
    採取ピンシール
    説明書

この商品は先にも説明した通り、インク台帳の一種ではあります。
しかしただ単にインクで書いて終わりではなく、この採取用の紙が蝶の形をした濾紙でできています。
濾紙でできているので、ペーパークロマトグラフィが行えるようになっています。
通常のペーパークロマトグラフィというと長方形の形ですが、これは蝶の形になっているので、色分解された際に蝶の羽の模様のように綺麗に見えます。

ペーパークロマトグラフィについては、過去の記事を参照ください。

pi-suke.hatenadiary.jp

使い方

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インク採取シート

  • 蝶の羽の下部(製品であれば、切り抜きされた番号やロゴのあたり)に直径1cm程度塗り潰す。
  • 羽の上部の穴に竹串などを通す。
  • コップに羽の下の尾状突起が水に浸かるよに水を張る。
    この時、塗ったインクが水に浸からないように注意する。
  • 触覚部分くらいまで水が水上がったら、コップから取り出す。

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インクを付けて、コップの水を入れた状態

使い方としてはこれくらいです。
インクの種類にもよりますが、水に浸けているのは10〜15分程度です。 その後は乾燥させて、採取記録シートに貼れば完成です。

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採取記録シート

採取記録シートに保管するだけでなく、標本箱に入れるとインテリアとしてつかます

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標本箱に入れてみた

これは万年筆のインクだけでなく、水性マーカのインクでも同じように楽しむことができます。

理屈としては、コップの下部から毛細管現象で水が上に登っていきます。
その際に色素によって、上昇するポイントが異なるために色が別れます。

見た目だけじゃなく色々なことがわかる

ペーパークロマトグラフィを行うと、そのインクの特性がよくわかります。
どの色が含まれているのか、例えば同じブルーブラックでも製品によって異なります。
色素分解されたことにより、普段はわからないインクに含まれている色素を詳しく知ることができます。

さらに最初に付けた部分が綺麗になくなっていれば、水に溶けやすいインクであることがわかります。反対に強く残っているのであれば、水に溶けにくいインクです。
水に溶けやすいインクであれば、万年筆の洗浄も簡単な水洗いで十分でしょうね。反対に水に溶けにくいタイプであれば、一晩漬けるなどした方が良いだろう。ということがわかります。

 

インク本来の色は、記録シートにインク名などを書き込み、インク蝶で色素分解してより深くインクを知るというすごい商品です。
通常のペーパークロマトグラフィと違い、濾紙が蝶の形をしており採取後も美しいです。
インクの新しい楽しみ方だと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。