(旧)カクかく

いつも側に寄り添っていて、人生を豊かにしてくれる文房具。そんな素敵な文房具をゆるく紹介します。

鉛筆をこよなく愛する「北星鉛筆」さんの工場見学

先週の金曜日に、「大人の鉛筆」などで有名な「北星鉛筆」さんが開催されている「東京ペンシルラボ」に参加してきました。

この「東京ペンシルラボ」は、北星鉛筆さんの工場見学です。
「鉛筆」に触れたことの無い人は、多分居ないんじゃ無いかな・・・
小学生の頃には主たる筆記具だったと思います。小学校の高学年ぐらいから、鉛筆からメカニカルペンシルに移行し、大人になるとボールペンが主たる筆記具になってきていると思います。
子供の頃にずっと身近にあって、色々な思い出があるのではないでしょうか。

そんな鉛筆ですが、どうやって作られているか知っていますか?
先日出演したテレビ番組では、「どうやって鉛筆が作られているか?」と聞いたら・・・
- 芯を木の液体?に浸けて、適度な太さになったら引き上げて乾かす
- 軸に穴を空けて、その穴に芯を入れる
などと回答がありました。

まぁ確かにどうやってできているか、改めて考えることってなかなかないですよね。
基本的な作り方は、芯を2枚の板で挟んで作られます。
鉛筆の端をよく見てみると、木目から2枚の板で挟まれていることがわかります。
知識としては、芯を2枚の板で挟んで作られている。ということは知っているのですが、五感でこの製造工程を知りたい。と思い、文具女子博に参戦する前にお邪魔してきました。

北星鉛筆 東京ペンシルラボ

場所など・・・

  • 場所:東京都葛飾区四つ木 1-23-11
  • 費用:大人400円 / 子供300円
  • 見学日時:平日(10:00〜 / 14:00〜)

見学とか・・・

北星鉛筆さんの場所は京成電鉄四ツ木」駅より徒歩5分ほどの場所です。
少し歩くと、住宅街の中に突如壁に鉛筆が書かれた建物が見えてきます。
この建物が「北星鉛筆」さんの建屋です。

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北星鉛筆 建屋

ペンシルラボの受付を済ますと、お土産を一ついただけます。

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来場記念品

「もくねんさん」体験の有無を確認されますので、申し込みの際に忘れても大丈夫です。
今回はなんと会長自ら案内していただけることになりました。

最初にビデオで工場で見られない工程(芯の製造など)など、どうやって鉛筆が作られるのかざっくりと観ます。
その後は工場見学となるのでしょうがその前に、会長自ら戦前の鉛筆など貴重な物などを説明していただきました。
中には革新的過ぎて受け入れられなかったものもありました。
下の写真は、今でいう芯ホルダーです。

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戦前のアイデア商品
口金を緩め芯を出すのですが、後ろにあるガイドで芯の量を調整できるようになっています。
これ今だと需要あるんじゃないかな?芯ホルダーってちょうど良い長さがの芯を出すのってちょっとコツというか慣れが必要ですが、このようにガイドを使えば簡単に必要な量を出すことができます。
北星鉛筆さんは「大人の鉛筆」など、通常の鉛筆の製造だけでなく多くのアイデアから鉛筆の可能性を探られていますが、創業当時からこのように革新的な企業さんだったんですね。

その後は工場に移動して、実際に作られる工程を見学しました。
工場に入ってびっくりしたのが、鉛筆は軸を削る工程があるので、木工工場のようにおがくずがそこら中にあると思っていましたが、全くと言っていいほどありませんでした。
木を削った香りはしますが、空気が綺麗なんですよ。
これは各工作機械にエアーダクトがついており、おがくずを全て一箇所に集めるようになっていたためでした。
北星鉛筆さんはおがくずで作られた粘土の「もくねんさん」を製造しているので、おがくずを有効に集めるためです。

そして可能な限り連続して加工できるように、工作機械をすっごい改良されていました。
昔は手作業で行なっていた工程も、出来るだけ一連の流れで加工ができるようになっていました。
しかもすっごい大掛かりな機械になっているのではなく、「コロンブスの卵」的な発想でどれもちょっとしたアイデアや工夫ですごかったです。
感心したのが、鉛筆は2枚の板(スラット)を張り合わせており、まっすぐにできているか確認しなければならないのですが、この確認方法は特にびっくりしました。
塗装するためのラインに流す際に、左右のローラで挟んで鉛筆を飛ばしてラインに投入されるのですが、まっすぐではない鉛筆はまっすぐ飛ばないのでラインにちゃんと乗らずにラインから落ちるんです。ほんとちょっとした発想ですが、わざわざまっすぐか測定する装置を用いずに判断できるとはすごいです。

あと驚いたのは、鉛筆の塗装って何回くらいだと思いますか?
僕は3〜6回くらいかな?と思っていたのですが、だいたい6〜7回、多いものだと12回程度重ね塗りされているそうです。
この塗装工程もすっごい工夫がされていました。
また鉛筆にロゴなどが銀や金色の箔押しされていますが、1本で銀色・金色の2色の箔押しがされているものがありますが、これも1工程です。
銀色の箔押しをした後、機械内でクルッと鉛筆が回転して反対側に金色の箔押しをしていました。

どの工程もすっごい工夫がされており、僕は一日中でも眺めていられるほど素晴らしい内容になっていました。

 

工場の見学を終えた後、北星鉛筆さんが来年創業70周年とのことで、70周年を記念して発売を計画している商品を見せてもらいました。
北星鉛筆さんらしい、”鉛筆の精神”に根付いた商品でした。

※鉛筆の精神:
鉛筆は我が身を削って人の為になり真ん中に芯の通った人間形成に役立つ立派で恥ずかしくない職業だから、鉛筆のある限り、家業として続けるように

発売が発表されたら、ぜひブログで取り上げたいです。
会長さんとお話をしていて、本当に鉛筆を愛し大事にされていることが伝わってきました。
文房具が好きな人は、絶対この「ペンシルラボ」に行った方がいい!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。