和歌の枕詞をイメージしたインク「インペリアル〜敷島〜」第1弾発売
岐阜県大垣市にある川崎文具店さんが、2019年(インクの年)5月(令和最初の)19日(インクの日)にひとりインクメーカー「インクバロン」をスタートされました。
川崎文具店さんは、JR東海道本線 大垣駅(名古屋駅から30分ちょっと)から徒歩5〜10分程度の非常に近い場所にあります。
早速、スタートの19日にお伺いししてきました。
「インクバロン」第1段インクは日本の和歌と枕詞をイメージした全72色「インペリアル〜敷島〜」です。
今回は「インペリアル〜敷島〜」の全72色のうち、第一弾として17色が発売されましたので、早速紹介していきます。
インペリアル〜敷島〜
製品説明
- 25ml:1,700円(税別)
- 5ml:500円(税別)
製品特徴
「インペリアル〜敷島〜」とは
和歌の枕詞をイメージして全72色のオリジナルインクです。
全72色を1年程かけて販売する計画だそうです。
インペリアル(imperial)は「威厳のある」「最上級の」などの意を表し、「敷島」は日本の古い国号のひとつです。直訳すれば、「最上級の日本」とでもなるのでしょうか。
このインクの色をイメージしている枕詞とは、和歌に見られる修辞で、特定の語の前に置いて語調を整えたり、ある種の情緒を添える言葉です。
万年筆のインク色も、季節によって色を変えてみたりすれば、情緒を添えることができますよね。そんな文字を書くための道具という枠から、さらに一歩進んだ位置付けになる様な気持ちも添えられているそうです。
ちなみにブランド名になっているこの「敷島」も枕詞にあります。
江戸時代の国学者の本居宣長の和歌
「敷島の 大和心を 人問はば 朝日ににほふ 山桜花」
からきています。
パッケージデザイン
「インペリアル〜敷島〜」は、25mlと5mlの2種類あります。
市販されているインクは、通常サイズで50ml程度です。ミニボトルで15ml程度です。
通常、万年筆のインクは消費期限が2〜3年と言われているので、より使い切りやすい25mlと、ちょっと試しに使ってみようという5mlの2種類のラインナップになっています。
パッケージには、そのインクの枕詞の使われている和歌が付いています。
この和歌の書かれたパッケージの裏面には、歌意が記されています。
パッケージは紙製の箱ではなく、「枡(ます)」が使われています。
川崎文具店さんのある岐阜県大垣市は、実は全国シェアの8割を占める「枡(ます)」の生産地なんです。(ちなみに川崎文具店さんの近くに「masu cafe (枡カフェ)」という食器が全て枡で提供されるカフェもあります。)
地場産業の名品がパッケージに使われています。
しっかりとした木製なので、積み重ねれば下の写真の様にパッケージが什器になります。
第一弾の17色
第一弾は、「敷島の」「足引きの」「鳴る神の」「天の原」「石走る・岩走る」「白妙の・白栲の」「石上」「草枕」「垂乳根の」「射干玉の」「打ち靡く」「玉の緒の」「唐衣・韓衣」「茜さす」「青丹よし」「空蝉の」「千早振る」の17種類です。
似ている色はあっても、微妙に異なります。
今回、試筆させてもらって僕は「石走る・岩走る」が印象的でした。
店長さんは、このインクを作るためにかなり和歌の勉強をされたそうで、それぞれの枕詞の意味や和歌の説明をしてくれました。
好きな色を選ぶ。というのも良いのですが、ただ「色」を販売するだけではなく、その「色」の背景にある物語を含めて色を選ぶというのも良いですね。
せっかく日本に生まれ育っているので、日本固有の形式による詩である和歌をイメージしたインクを使ってみたい。と思いました。
1年かけて全72色展開されるとのことなので、今後も発売されたら試筆してお気に入りの色・和歌を見つけてみたいと思います。
なお川崎文具店さんでは、この「インペリアル〜敷島〜」も試筆できますので、ぜひ一度試してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。