カクかく

いつも側に寄り添っていて、人生を豊かにしてくれる文房具。そんな素敵な文房具をゆるく紹介します。

田舎民が東京ミッドタウンという迷宮で、憧れの消しゴムを買うお話

今回は前もって謝ります。非常に下らない文書をダラダラ書いてしまいました。内容はただ東京ミッドタウンで、消しゴムを買ってきたというお話です。
奇特にも興味を持ったり、暇を持てあましていたら読んでみてください。


大いなる田舎の民がオシャレな街、六本木に向かう

ISOTに参加するため愛知から上京したので、せっかくなので憧れのFABER CASTELLの直営店に行きたい。と無謀にも思い、直営店の場所やもとよりの駅を調べた。
そうしたらなんと、六本木にある東京ミッドタウンにある事が分かったが、すでにこの時点で若干気後れした。それでも憧れなので、宿泊先のホテルをチェックアウトし、駅のコインロッカーに荷物を預け、六本木に向かう。
今はスマートフォンを使えば、電車の乗り換えも簡単に調べられるが、地下鉄が多すぎなうえ、どう行けばその地下鉄にたどり着けるのか暗中模索な状態だったが、なんとか地下ダンジョンをくぐり抜け、目的の列車に乗ることができた。

大いなる田舎の民が、オシャレな街の六本木に足を踏み入れる

地下を我が物顔で走る列車に揺られながら、大いなる田舎と揶揄される愛知県民である僕は、すでに大都会東京のそれもオシャレな六本木にある東京ミッドタウンは地名や名前だけでビビってしまっていた。
巨大商業施設というとイ○ンさんしか知らない僕には、東京ミッドタウンはハードルが高すぎる。まるで網の目のように張り巡らされた地下鉄という地下迷宮を、現代の利器であるスマートフォンを片手に超えた。まるで昼間のように明るい地下街を抜けると目的地の東京ミッドタウンがあった。あったというか、地下街に掲示されている案内に従い、歩みを薦めていたら気が付いたら足を踏み入れていた。
しかし巨大施設のため早速迷子になる。うろうろとお上りさんよろしくキョロキョロしていたら、インフォメーションがあったのでオシャレな受付のお姉さんに聞いたら、分かりやすく教えてくれたうえ、東京ミッドタウンのマップが付いているという冊子も手渡してくれた。この冊子がまさかのステープラ留めなのだ。地元の巨大商業施設のイ○ンさんなんか、A4の三つ折りですよ。どれだけスゴいんだと驚きを隠せなかった。きっとこの分厚い冊子には東京ミッドタウンで過ごすための各種心得や注意事項などが記載されているのであろうが、脳内キャパが一杯一杯なので、何かあった時に確認しようと、大事に鞄にしまいつつ、引き返したい衝動に駆られた。
だが、せっかく迷宮の地図を手にして、ここで引き返すわけにはいかない。なけなしの勇気を振り絞り、親切なお姉さんが教えてくれたとおり東京ミッドタウンという迷宮を進む。

目的地になんとか辿り着く

インフォメーションのお姉さんが教えてくれた経路を進むが、第一階層には飲食店が数々の飲食物で僕を誘惑する。
ちょうどお昼前だったので、空腹を抱えた僕は名古屋コーチンの親子丼のお店に目を奪われた。名古屋コーチンという見慣れたフレーズに思わず懐かしさを覚え、フラフラと入店しそうになってしまっていた。しかし僅かに残されていた理性が、フラフラ向かう足を止めてくれた。さすが迷宮だ、田舎から出て来て緊張しているところに、見知ったキーワードで誘惑して目的地にたどり着けないようにするとは、本当に油断できない。まさかインフォメーションのお姉さんは、僕が愛知県民である事を察して、あえて名古屋コーチンの誘惑に勝てるのか試されたのではないのか。と疑ってしまうほど、すでに僕は疲弊していた。
そんな誘惑に負ける事無くエスカレーターに辿り着くことができた。エスカレーターという文明の利器を使って次々と階層を上がっていくと、目的地が見えてきた。ここまで長い道のりだったが、直ぐに入店する勇気が無い。やはり直営店だけあって、並々ならぬオーラが出ている。
ちょっと遠目から目的地を確認し、心を落ち着かせ、いざ入店。っと思ったら入り口がなんと2つある。まさかの入り口が2つだ。さすが東京ミッドタウンという迷宮、最後まで油断ならない。ここで慌てて入店しては、画竜点睛を欠く事になるので、落ち着いて確認だ。
よく観察すると、向かって右側は色鉛筆などが主力のFABER CASTELLブランド、左側が伯爵シリーズを有するGRAF VON FABER CASTELLブランドだ。今回の目的は、GRAF VON FABER CASTELLブランドなので、目指すは左側だ。

店内に足を踏み入れる

最後の入り口が2つというトラップに陥ることなく、目的値に辿り着くことができた。無事に辿り着けたことに安堵して目的を忘れそうになったが、シックな衣装に身を包んだお姉さんが優しく迎えてくれた。

伯爵シリーズの万年筆の試筆

長い旅の末に辿り着いた店内で、シックな衣装を身にまとったお姉さんにドキドキしながら、「伯爵シリーズの万年筆の購入を検討中なので試筆をさせて欲しい」と願い出ると、笑顔で僕の願いを了承してくれた。ただ陳列されている棚に目をやると、なぜか鍵穴が無い。まさか鍵が掛かっていないなんてことは無いので、鍵穴が無いのにどうやって陳列されている万年筆を取り出すのかと不思議に見ていると、なんとスマートキーではないか。最新の技術を余すこと無く使っているとは、さすが東京だ。
お姉さんが何本か万年筆を出して、インクを付けて・・・っとここまで来れば、あとは名古屋と一緒だ。っと慢心したら、試筆用の用紙がGRAF VON FABER CASTELLのロゴ入りではないか。もう気軽に試筆できないではないか。緊張した面持ちで、万年筆を持ち上げるが若干手が震える。「落ち着け、僕の右手」と念じるが、あまり効果は無かった。だが、2筆・3筆と書くうちに落ち着きを取り戻すことができた。何本かの万年筆で試筆をするころには、落ち着いてお姉さんと会話が出来るようにまでなった。

数ある種類の中から、コレだ。という万年筆も分かった。忘れないようにメモを取る際に、僕の愛用のGRAF VON FABER CASTELLのパーフェクトペンシルを取り出す。するとお姉さんから「パーフェクトペンシルをお使いなのですね、ありがとうございます。」と感謝の言葉を述べられ、またちょっと落ち着きを無くしたが、動揺はひた隠し笑顔でこの鉛筆を日常的に使用しているかを語ってしまった。
これは良い流れだ、このまま第二の目的を達成しようと思ったが、先ほどまで試筆していたショーケースの中に、PEN OF THE TEAR 2017 Vikingsが鎮座されているではないか。雑誌やWebでしか見たことの無い物が、そこにある事が当たり前のように鎮座している。流石に恐れ多く試筆は行わなかったが、美しい万年筆だった。

ラウンドシェープイレーサー プラチナコートを購入

PNE OF THE YEARの出現にタイミングを崩されてしまったが、流石に万年筆はまだ別の製品と検討中だったため購入はしなかったが、もう一つの目的である「ラウンドシェープイレーサー プラチナコート」の購入を願い出た。
これはイレーサーという名前の通り消しゴムだ。ただGRAF VON FABER CASTELLブランドのため、落ち着いたデザインなのだがどこか華やかさがあり、お値段も14,000円という消しゴムとは思えない価格だ。だが僕の憧れの商品で有り、この日の為に少しずつ購入資金を貯めてきたのだ。僕の購入したいという願いにお姉さんは奥から、新品の「ランドシェープイレーサー プラチナコート」を取り出し、厳かに箱に入れ手渡してくれた。



無事に目的を達することが出来たが帰りの方向が分からず、またしても迷宮で迷子になってしまった。そして夕方には愛知に帰るにも関わらず、昼食には行きに僕を誘惑してきた名古屋コーチンの親子丼を食べて東京ミッドタウンを後にした。