移転します
文房具ブログを始めるにあたり、まずは手軽に始められるという点を重視して「はてなブログ」を使ってきました。
2020年からは本格的にブログを運営しようと思い、別の環境に切り替えることにしました。 本ブログは閉鎖はしませんが、更新はこの案内が最後となります。
新しいブログは、以下になります。 カクかく(https://www.kaku2.com)
引き続き、ご愛読いただけると幸いです。
2019年激推し文具ベスト3
2019年も気がつけば残り10日を切りました。
何だか年々1年経つのが早くなっているような気がします。
ということで、今年に発売された文房具の中から、僕がオススメを紹介します。
3位 KOKUYO GLOO テープカッター
GLOO シリーズは、一部の店舗などでは2018年12月上旬から販売されましたが、正式発売は2019年1月です。
テープカッターはなかなか壊れたりしないので、買い換える頻度はめちゃくちゃ低いと思います。
それにパッとみたところ、今までのものと何が違うのか?という進化した点が分かりにくいです。
でも、この「GLOO テープカッター」はほんと買い換えて後悔しない激推しの一品です。
過去に紹介した記事は以下
何も考えずに使っても、このテープカッターが持つ機能を使い切ることをができます。
ポンっと置いてもしっかりホールドされてずれる事なく使え、ホールドされている状態を解除するのも、無意識にできるようになっています。
僕はテープをあまり使わない生活でしたが、このテープカッターを手にしてからよく使うようになりました。
本当に使いやすいので、ぜひ使って欲しいです。
2位 ゼブラ ブレン
2018年12月に発売され、2019年11月末時点のゼブラ出荷実績で500万本を突破した爆発的人気のボールペンです。
過去に紹介した記事は以下
筆記時に生じるブレを極限まで抑えた。というボールペンです。
正直、筆記時に生じるブレという感性・感覚の部分にどれだけのニーズがあるのか、これは文房具の好きなユーザぐらいで一般には受け入れられないんじゃないかな?と懐疑的に思っていました。
今までは油性インキボールペンというと、三菱鉛筆さんの「ジェットストリーム」が第一選択肢になっていたところ、このゼブラのブレンがその牙城を崩す形になっていると思います。
ジェットストリームも発売当初はおしゃれなデザインとして受け入れられていたのでしょうが、2006年の発売から10年以上経過した今ではデザインが1世代古いように感じられる点もあるのでしょう。
油性ボールペンユーザにとっては、このブレンの登場は嬉しい出来事です。
1位 PILOT フリクションボールポイントノック 04
2019年9月に発売された「フリクションボールポイントノック 04」が1位です。
過去に紹介した記事は以下
フリクションボールペンは、消せるボールペンの代表格的な存在です。
ですが、ボールペン本来の書き味やインキの発色を考えると、正直他のボールペンに劣っていると感じていました。
しかし、「フリクションボールポイントノック 04」はチップを「シナジーチップ」が採用されており、書き味やインキの発色がすごく改善されました。
従来のフリクションは、書き味やインキの発色が劣っていたので好きにはなれなかったです。
しかし、この「フリクションボールポイントノック 04」に出会って、今ではペンケースに常備されるようになりました。
ただこれ、従来のフリクションユーザはただボール径が変わったくらいにしか思っていないかも知れず、なかなか普及には今一歩なのかも知れません。
これはぜひ従来のフリクションユーザの方にも使っていただき、違いを体感して欲しい1本です。
今年のオススメが、デザインオフィス nendoさんの商品が2点。ボールペンが2点という偏った状態ですね。
でも、これらの文房具はほんと強くオススメでき、1人でも多くの人に使って欲しいです。
さて来年はどんなすごい文房具が出てくるのか楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
低粘度油性なのに超極細を実現した「JETSTREAM EDGE」を使ってみた
低粘度油性という今では当たり前の油性インキの開発で、一躍ボールペン界で不動の地位を手にした、三菱鉛筆さんの「JETSTREAM」。
過去8回のOKB(お気に入りボールペン)48選抜総選挙において、第一回から圧倒的人気でダントツの1位で絶対王者とまで言われています。
そんな「JETSTREAM」に0.28mmという超極細のボール径の「JETSTREAM EDGE」が発売されました。
JETSTREAM EDGE
製品情報
製品特徴
何と言っても、0.28mmという超極細という点です。
今まで0.28mmというと、ゲルインキのボールペンではありましたが、油性インキでは世界初のボール径です。
いくら低粘度とはいえ、油性なのでゲルと比べて粘度が高いので、よくこの0.28mmという超極細を実現できたな。と思います。
この超極細を実現してるのは、チップというボールを支えている部品です。
よくあるボールペンと比べると、形状が明らかに違います。
この独特の「ポイントチップ」は、潤沢なインクフローを実現しつつ超極小のボールを支えています。
このチップをみて、「あれ?どこかで見たことあるぞ?」と思われた方は相当な文房具好きですね。
三菱鉛筆の「ポイントチップ」と、PILOT の「Juice Up」や「フリクションボールポイントノック 04」のチップと非常に似ています。
目指している機能が一緒なので、どうしても形状が似てくるんでしょうね。
書き味
流石に0.28mmということで、カリカリしたような書き味です。
0.5mmのような滑らかな書き味ではないです。
サンプル用紙に書いてみたのですが、滲みも生じておらず細かな文字を書くのに非常に適していると思います。
デザイン
全体的に洗礼されたデザインだと思います。
ノック部分に向かうほど軸が細くなっており、スマートな印象を受けます。
ロゴも凹文字で、目立ちにくいです。
LAMY のような針金のクリップですが、強めの挟み具合ですのでポケットに入れても外れたりズレたりする心配はなさそうです。
グリップ部分は縦方向に細い溝が掘られており、滑りにくいようになっています。
ただ残念なのが、ノック部分がちょっとチープに見えてしまいます。
重心
グリップの先端に金属が使われており、低重心設計になっています。
ちょうどグリップ上部の黒い部分あたりが重心の中心になっています。
金属が使われていますが、重すぎるということはなく、筆記のコントロールがしやすいです。
僕は従来の「JETSTREAM」の書き味というか、書いた後の文字から受ける印象がどうも好きになれなかったです。
低粘度でヌラヌラというより、鋭すぎるイメージなのですよね。
それが今回発売された「JETSTREAM EDGE」は、超極細のためインクフローが従来より渋くなったお陰で、かなり好みの書き味です。
このボールペンは、手帳など細かな文字を書く場面で大活躍すること間違いなしです。
今はまだインキ色がブラックのみですが、きっと今後ブラック以外のカラーインキが発売されることでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
鉛筆をこよなく愛する「北星鉛筆」さんの工場見学
先週の金曜日に、「大人の鉛筆」などで有名な「北星鉛筆」さんが開催されている「東京ペンシルラボ」に参加してきました。
この「東京ペンシルラボ」は、北星鉛筆さんの工場見学です。
「鉛筆」に触れたことの無い人は、多分居ないんじゃ無いかな・・・
小学生の頃には主たる筆記具だったと思います。小学校の高学年ぐらいから、鉛筆からメカニカルペンシルに移行し、大人になるとボールペンが主たる筆記具になってきていると思います。
子供の頃にずっと身近にあって、色々な思い出があるのではないでしょうか。
そんな鉛筆ですが、どうやって作られているか知っていますか?
先日出演したテレビ番組では、「どうやって鉛筆が作られているか?」と聞いたら・・・
- 芯を木の液体?に浸けて、適度な太さになったら引き上げて乾かす
- 軸に穴を空けて、その穴に芯を入れる
などと回答がありました。
まぁ確かにどうやってできているか、改めて考えることってなかなかないですよね。
基本的な作り方は、芯を2枚の板で挟んで作られます。
鉛筆の端をよく見てみると、木目から2枚の板で挟まれていることがわかります。
知識としては、芯を2枚の板で挟んで作られている。ということは知っているのですが、五感でこの製造工程を知りたい。と思い、文具女子博に参戦する前にお邪魔してきました。
北星鉛筆 東京ペンシルラボ
場所など・・・
- 場所:東京都葛飾区四つ木 1-23-11
- 費用:大人400円 / 子供300円
- 見学日時:平日(10:00〜 / 14:00〜)
見学とか・・・
北星鉛筆さんの場所は京成電鉄「四ツ木」駅より徒歩5分ほどの場所です。
少し歩くと、住宅街の中に突如壁に鉛筆が書かれた建物が見えてきます。
この建物が「北星鉛筆」さんの建屋です。
ペンシルラボの受付を済ますと、お土産を一ついただけます。
「もくねんさん」体験の有無を確認されますので、申し込みの際に忘れても大丈夫です。
今回はなんと会長自ら案内していただけることになりました。
最初にビデオで工場で見られない工程(芯の製造など)など、どうやって鉛筆が作られるのかざっくりと観ます。
その後は工場見学となるのでしょうがその前に、会長自ら戦前の鉛筆など貴重な物などを説明していただきました。
中には革新的過ぎて受け入れられなかったものもありました。
下の写真は、今でいう芯ホルダーです。
口金を緩め芯を出すのですが、後ろにあるガイドで芯の量を調整できるようになっています。
これ今だと需要あるんじゃないかな?芯ホルダーってちょうど良い長さがの芯を出すのってちょっとコツというか慣れが必要ですが、このようにガイドを使えば簡単に必要な量を出すことができます。
北星鉛筆さんは「大人の鉛筆」など、通常の鉛筆の製造だけでなく多くのアイデアから鉛筆の可能性を探られていますが、創業当時からこのように革新的な企業さんだったんですね。
その後は工場に移動して、実際に作られる工程を見学しました。
工場に入ってびっくりしたのが、鉛筆は軸を削る工程があるので、木工工場のようにおがくずがそこら中にあると思っていましたが、全くと言っていいほどありませんでした。
木を削った香りはしますが、空気が綺麗なんですよ。
これは各工作機械にエアーダクトがついており、おがくずを全て一箇所に集めるようになっていたためでした。
北星鉛筆さんはおがくずで作られた粘土の「もくねんさん」を製造しているので、おがくずを有効に集めるためです。
そして可能な限り連続して加工できるように、工作機械をすっごい改良されていました。
昔は手作業で行なっていた工程も、出来るだけ一連の流れで加工ができるようになっていました。
しかもすっごい大掛かりな機械になっているのではなく、「コロンブスの卵」的な発想でどれもちょっとしたアイデアや工夫ですごかったです。
感心したのが、鉛筆は2枚の板(スラット)を張り合わせており、まっすぐにできているか確認しなければならないのですが、この確認方法は特にびっくりしました。
塗装するためのラインに流す際に、左右のローラで挟んで鉛筆を飛ばしてラインに投入されるのですが、まっすぐではない鉛筆はまっすぐ飛ばないのでラインにちゃんと乗らずにラインから落ちるんです。ほんとちょっとした発想ですが、わざわざまっすぐか測定する装置を用いずに判断できるとはすごいです。
あと驚いたのは、鉛筆の塗装って何回くらいだと思いますか?
僕は3〜6回くらいかな?と思っていたのですが、だいたい6〜7回、多いものだと12回程度重ね塗りされているそうです。
この塗装工程もすっごい工夫がされていました。
また鉛筆にロゴなどが銀や金色の箔押しされていますが、1本で銀色・金色の2色の箔押しがされているものがありますが、これも1工程です。
銀色の箔押しをした後、機械内でクルッと鉛筆が回転して反対側に金色の箔押しをしていました。
どの工程もすっごい工夫がされており、僕は一日中でも眺めていられるほど素晴らしい内容になっていました。
工場の見学を終えた後、北星鉛筆さんが来年創業70周年とのことで、70周年を記念して発売を計画している商品を見せてもらいました。
北星鉛筆さんらしい、”鉛筆の精神”に根付いた商品でした。
※鉛筆の精神:
鉛筆は我が身を削って人の為になり真ん中に芯の通った人間形成に役立つ立派で恥ずかしくない職業だから、鉛筆のある限り、家業として続けるように
発売が発表されたら、ぜひブログで取り上げたいです。
会長さんとお話をしていて、本当に鉛筆を愛し大事にされていることが伝わってきました。
文房具が好きな人は、絶対この「ペンシルラボ」に行った方がいい!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
男の子だけど、今年も「文具女子博2019」に参戦してきた
今日は本業をお休みして、東京で開催されている「文具女子博2019」に行ってきました。
今年で3回目の開催となるイベントで、簡単に説明すると「入場料を支払って文房具を購入する」という、一般の人からしたら狂気のようなイベントです。
ですが、昨年は金〜日曜の3日間の開催で、のべ35,000人が来場されたそうです。
イベント会場の様子は、様々なテレビが取材しているようで、今日もテレビクルーが何組かいました。
昨年までは朝一から並んで入場していたのですが、今年はどうしても外せない別件があったので、今年は午後から入場しました。
文具女子博2019
イベント概要
- 開催期間:12月12日(木)〜15日(日)
- 時間:10:00~17:00(最終入場16:00)
※最終日のみ16:00まで(最終入場15:00) - 入場料:当日券650円
- 会場:東京流通センター 第1展示場 A~Dホール
イベントの参戦感想
僕が会場に到着したのは、14時ごろでした。
会場は最寄り駅の東京モノレール「流通センター」駅からすぐの場所で、ホームからちらっと見たら、待機列が見えませんでした。(昨年までは待機列が見えたんですよね)
時間が遅かったからか、入場受付は数分で完了しすんなりと入場できました。
今年からリストバンドを渡され、それを着けてから会場に入れるようになっていました。
まず会場に入ってみたら、そんなに混雑してない?っと思ってしまいました。
昨年までとは変わり、会場スペースが大きくなり、通路がかなり広くなっているため、余裕で会場内を歩き回ることができました。
(昨年は、会場を歩くのも困難なほどでした)
ただ複数のホールを横断して会場としているため、大きなパーテーションがあり、全体を見渡すのが困難でした。
参加メーカーさんは昨年より30社増え133社が出展しています。
僕は全く下調べをすることなく、参戦したのでどこにどのメーカさんのブースがあるのか、さっぱりわかりませんでした。
行き当たりばったり、フラフラ歩いて気になったブースを覗く。ということをしていたのですが、1周するのにかなりの時間が必要でした。
限定品の売れ行き
参戦した時間が午後だったため、限定品の多くは当然のように完売していました。
どうしても「この限定品が欲しい」という人は、朝から参戦することをお勧めします。
その際は、防寒対策が必須です。会場が海の近くの倉庫街で、開場・入場待ちの際はかなり冷えるためです。
防寒対策は必須なのですが、会場内は暖房なのか人の熱気なのか、コート類は暑くて脱ぐことになると思いますので、ちょっと大変かも知れません。
名物の集中レジの大行列
文具女子博の最大?のネックの集中レジですが、今年は60台近く稼働していました。
そして会場アナウンスで定期的に、レジの混雑状況を教えてくれるので、空いてるタイミングで行くとかなり早く会計を済ませることができると思います。
会計を済ませても、再度会場に入ることもできるので、何回かに分けて会計するのもありかも知れません。
極一部店舗は、集中レジではなくブースでの会計というものがありました。
これめっちゃ分かりにくかったです。僕は全く気づかず、最後の会計の際に指摘されて、初めて知りました。大人の事情があるのでしょうが、会計方法は統一して欲しいです。
さすがに3回目の開催で、運営側もノウハウができてきたのか、めちゃくちゃ気になるようなことはありませんでした。
今年一番印象深いのは、参戦されている男子が明らかに増えてました。
昨年までは男子というと、本当に見かけなかったです。見かけてもスーツを着用しており、どう見ても業界の人ですよね?という人。
それが今年は、結構な頻度でイベントを楽しんでいる男子がちらほらいました。これは大きな変化ですね。
さて明日・明後日と休日開催がどれほど混雑するのか分かりませんが、参戦する人は余裕を持って行動してくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
PILOT の全盛りシャープペンシル「Dr.Grip ACE」
僕はシャープペンシルを主に使うようになったのは、中学生になってからです。
小学校ではシャープペンシルの使用が禁止されており、シャープペンシルはお兄さん・お姉さんの筆記具のようなある種の憧れがありました。
中学生になってしばらくしたら、パイロットさんから発売されている「Dr.Grip」が爆発的な人気で、多くの友人が使っていました。
ただ自分はなかなか買ってもらえず、長い間憧れた思い出があります。
当時、シャープペンシルというと細い軸で、グリップ部も硬くて長時間筆記していると手が疲れました。
でも、このDr.Grip はグリップの部分がシリコンで出来ており、適度が硬さで長時間筆記していても疲れにくい。さらに当時は良くわからなかった「人間工学に基づいて設計された」という触れ込みで、本当に憧れの1本でした。
今でも「Dr.Grip」は根強いニーズがあります。
先日、PILOTさんからそんな「Dr.Grip」に新モデルが発売されました。
Dr.Grip ACE
製品情報
- 芯径:0.3mm / 0.5mm
- 価格:800円(税別)
製品特徴
従来のDr.Grip同様にシリコンのグリップで、本体を振ることで芯を出すことのできる「フレフレ機構」が搭載されています。
今回発売のACE には、さらにPILOTの芯の折れないシャープペンシルの「Mogulair」のアクティブサスペンションが搭載されています。
折れない仕組みとしては、力が加わった際に芯を保持しているチャックが潜って、芯が折れないようになっています。
下の写真は、上部がDr.Grip ace 、下部がMogulair のアクティブサスペンションです。
ここまでは従来のPILOTのシャープペンシルの機能を全盛りした感じですが、さらに新しい機能が追加されています。
それは「LAS-1 SIGN」という機能です。
これは芯が最後の1本になったことを教えてくれるものです。
シャープペンシルを使っていると、まだ芯が入っていると思ったら、実は芯がもう入っていない。ということです。シャープペンシルの芯がなくなるタイミングって分かりにくいですよね。
それが最後の1本を使っている状態になったら、本体の上部にある窓がオレンジ色に変わるそうです。
Dr.Gripを愛用されている方は筆圧が高めだと思いますので、芯が折れない機構のアクティブサスペンションが搭載されているので、書き味が大きく異なることが予測できるのできれば試し書きをお勧めします。
今回、ちょっと残念だったのはグリップ部がDr.Grip G-SPEC のような多層式のシリコンラバーではく単層です。これがG-SPEC のようにグリップが選択できるとより良かったと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
インクの新しい楽しみ方「インク蝶」
先日、名古屋駅からほど近い場所にある、オリジナルのリングノートが作れてスペシャリティコーヒーが飲めるお店の「NO DETAIL IS SMALL」さんで新商品のワークショップに参加してきました。
早速新商品の紹介をします。
商品名は「インク採取」です。
万年筆のインクは、文具店オリジナルのインクも数えると何千色にもあり、お気に入りのインクを管理するするのに「インク台帳」で管理している人も多く見えます。
今回発表された「インク採取」は、基本コンセプトはインク台帳ですが、楽しく・より深くそのインクの特性を把握できるようになっています。
製品情報
- 発売予定:2020年1月
- 販売価格:1,800円(税別)
- 内容物:
インク採取濾紙6面2シート
インク採取記録4シート
採取ピンシール
説明書
この商品は先にも説明した通り、インク台帳の一種ではあります。
しかしただ単にインクで書いて終わりではなく、この採取用の紙が蝶の形をした濾紙でできています。
濾紙でできているので、ペーパークロマトグラフィが行えるようになっています。
通常のペーパークロマトグラフィというと長方形の形ですが、これは蝶の形になっているので、色分解された際に蝶の羽の模様のように綺麗に見えます。
ペーパークロマトグラフィについては、過去の記事を参照ください。
使い方
- 蝶の羽の下部(製品であれば、切り抜きされた番号やロゴのあたり)に直径1cm程度塗り潰す。
- 羽の上部の穴に竹串などを通す。
- コップに羽の下の尾状突起が水に浸かるよに水を張る。
この時、塗ったインクが水に浸からないように注意する。 - 触覚部分くらいまで水が水上がったら、コップから取り出す。
使い方としてはこれくらいです。
インクの種類にもよりますが、水に浸けているのは10〜15分程度です。
その後は乾燥させて、採取記録シートに貼れば完成です。
採取記録シートに保管するだけでなく、標本箱に入れるとインテリアとしてつかます。
これは万年筆のインクだけでなく、水性マーカのインクでも同じように楽しむことができます。
理屈としては、コップの下部から毛細管現象で水が上に登っていきます。
その際に色素によって、上昇するポイントが異なるために色が別れます。
見た目だけじゃなく色々なことがわかる
ペーパークロマトグラフィを行うと、そのインクの特性がよくわかります。
どの色が含まれているのか、例えば同じブルーブラックでも製品によって異なります。
色素分解されたことにより、普段はわからないインクに含まれている色素を詳しく知ることができます。
さらに最初に付けた部分が綺麗になくなっていれば、水に溶けやすいインクであることがわかります。反対に強く残っているのであれば、水に溶けにくいインクです。
水に溶けやすいインクであれば、万年筆の洗浄も簡単な水洗いで十分でしょうね。反対に水に溶けにくいタイプであれば、一晩漬けるなどした方が良いだろう。ということがわかります。
インク本来の色は、記録シートにインク名などを書き込み、インク蝶で色素分解してより深くインクを知るというすごい商品です。
通常のペーパークロマトグラフィと違い、濾紙が蝶の形をしており採取後も美しいです。
インクの新しい楽しみ方だと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。