「飾り原稿用紙」のお話会に行ってきたよ
10日(日)に、名古屋市大曽根にある創業90年を超える老舗文具店の三光堂さんで、あたぼうの佐川さんを招いて飾り原稿用紙のお話会が開催されました。
「あたぼう」さんの「飾り原稿用紙」は、2016年の日本文具大賞のデザイン賞大賞を受賞された商品です。
それまでは原稿用紙というと、B4サイズでデザインも罫線があるだけ・・・正直、子供の頃の読書感想文で苦労した記憶を思い出して、使いたいと思うような文房具ではありませんでした。
しかし、日本文具大賞を受賞した「飾り原稿用紙 碧翡翠」を見たときに、A4サイズでデザインされたオシャレな原稿用紙にワクワクしました。
ただ原稿用紙にイラストを配置して、オシャレにしただけではなく原稿用紙としての機能も充実しており、今ではヘビーユーザーになっています。
そんなお気に入りの文房具の開発者のお話が聴けるということで、とても楽しみに参加してきました。
佐川さんとは、今まで何度も展示会でお話をしているのですが、今回のような場でどういうお話ができるのか・・・ちょっとドキドキしてました。
「飾り原稿用紙 お話会」
まずは「あたぼう」さんの社名の由来から始まり、飾り原稿用紙が産声をあげたお話がありました。
このあたりの話は、あたぼうさんのHPにも公開されているのですが、Twitter 経由で話がどんどん展開した辺りは今時だな〜と思いましたし、Twitter だからこそのスピード感を感じます。
ご存知の通り「飾り原稿用紙」は「趣味の文具箱」などで連載されている小日向 京さんが監修されています。
彼女は記事は原稿用紙で書いているそうです。送信する段階になってパソコンで入力されるとのことで、原稿用紙を使い倒している彼女だからこその要望がたくさん詰まったものが飾り原稿用紙なんですね。
例えば、通常の原稿用紙はマス目は正方形なのですが、飾り原稿用紙のマス目は縦に潰れた長方形になっています。
これはある程度の文量の筆記を行った際に、続けて書きやすいためだそうです。
さらに通常の原稿用紙と違うのが、左右にルビを書くスペースがある点です。
これらはさすが原稿用紙を使い倒している人ならでは視点でしょうね。
その後は、現在販売されている「飾り原稿用紙」のデザインについて、裏話というか製造秘話を伺いました。
お話の中で、残念ながら採用されなかったデザインのサンプルを拝見することができました。
採用されなかったデザインも素晴らしいのですが、こうして見てみると採用されたデザインのすごさがよく分かります。
途中で、色見本で製造された全紙に印刷された「飾り原稿用紙」の争奪じゃんけん大会が開催されました。
これほんと欲しくて、かなり気合いを入れていたのですが、初回で敗戦・・・
質問コーナーもあって、ずっと気になっていた「金鶯錯」移行の「鋼導管」「蜜柑網」「海洋巡」が余白がないほど、それまでのデザインと大きく違います。
正直、佐川さん・監修の小日向さん・デザイナーのhoririumさんのネジが外れちゃったのか??と戸惑いましたが、これは「遊び」だとのことです。
ただファンシーにならないようにだけは注意しているそうです。
あとデザイン案はいくつもあるそうなのですが、あたぼうさんとしては「事故が無い限り廃盤にしたく無い。」という思いがあるため、急激にデザインが増えることは無いそうです。
確かに気にっているのに、そのデザインが無くなると残念なので、メーカーとしてこの姿勢を持たれているのはすごく好感が持てます。
最後に、参加者全員で百人一首からランダムに一首を選んで、みんなで黙々と筆記するというイベントで締めてられました。
普段使用している製品の裏を知ることができ、楽しみが増してより一層好きになりました。
三光堂さん、あたぼうの佐川さん、ありがとうございました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。