(旧)カクかく

いつも側に寄り添っていて、人生を豊かにしてくれる文房具。そんな素敵な文房具をゆるく紹介します。

ボールペンを科学する

「ボールペンを科学する」なんて大層なタイトルですが、その大層なタイトル以上にスゴいんですよ、ボールペンは。

 

ボールペンは各ご家庭に1本は必ずあるでしょう。それに社会人の多くの方が一番よく使われる筆記具は、ボールペンではないでしょうか。

そんな普段何気なく身近にいて、利用しているボールペンですが、凄い技術の結晶なんですよ。

  

ボールペンの仕組みを簡単な絵を描いてみました。

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ボールペンの先端をよく見てもらうと、小さな小さな金属製のボールがあることが分かると思います。
筆記するときに、このボールが用紙と接地して回転することにり、インクを用紙に渡しているのですが、このボールの回転数が実は半端ないんです。

 

例えば、よく見かける0.5mm のペン先で、30cm の線を1秒で書いた場合の回転数を求めると、2回の計算で分かります。

  • ボールの円周を求めます。
    円周は、直径 x 円周率(3.14)で求められます。
    0.5 mm x 3.14 = 1.57 mm
  • 30cm を円周で割ると1秒あたりの回転数が求められます。
    300mm / 1.57 回転/秒 ≒ 191 回転/秒

 1秒間にほぼ191回転です。
イマイチよく分からないので、エンジンの回転数と同じく毎分に直すと

  • 191 回転/秒 x 60秒  11,465 回転/分
    ※論理上の値ですが、ボールが回転することによって書けるので大きな誤差は無いのではないでしょうか。

もし仮に、1秒で30cm の線を引いた速度を1分間続けたと仮定したら、1万回転を超えてしまいます。
一般車のエンジンの多くが6千~7千回転で過回転となるのに、ボールペンはあの小さな体で、一般車のエンジンの倍近い回転数に耐えているんです。
しかもそれだけ回転して、書き続けられるということは、ボールの精度とインクが優れていないとが実現出来ません。もしボールに歪みがれば、引っかかったりインクが出たり出なかったり・・・と不具合になっちゃいます。 

 

先日久しぶりにボールペンを使ったときに、回転数を計算したのですが、予想以上の回転数の値が出てきてしまったので検算して、さらにMS-Excel でも計算してしまいました。
この1万回転以上にも耐えうる構造・精度もスゴいですし、さらにインクを過不足なく供給し続けているんですよ。めちゃくちゃスゴいですよね。

 

このめちゃくちゃスゴい技術ですが、やっぱり日本製はダントツにスゴいです。
海外ブランドのボールペンも何本か持っていますが、書き味に関しては日本のクオリティはもはや過剰ではないか?と思える領域です。
1本何万円もする海外メーカのボールペンの替え芯は千円程度しますが、日本メーカのボールペンの百円程度の替え芯に、多くが足下にも及ばない状況だと思っています。
反対にデザインや所有欲には関しては、僕は海外メーカの方が優れていると思っています。
なので、僕は見た目は海外メーカ、芯は日本製にして使っています。

 

実は身近な文房具であるボールペンは、こんなとんでもない技術が使われているんですよ。