日本の町工場の底力!!
今年の日本文具大賞の機能部門優秀賞を受賞されたFectionery さんの「CLIP」を覚えていますか?
日本文具大賞が発表された時に気になった商品の一つです。
本日、ISOT の会場で実際にメーカーさんで直接商品を確認してきました。
Fectionery さんとは・・・
まずメーカーのFectionery さんですが、いただいたパンフレットには、
Factionery = Factory + Stationery Factionery(ファクショナリー)は日本の町工場の持つ「技から生まれる美しさ」を大切に町工場参加型のプロダクトブランドです。
世界をリードしてきた加工や品質管理などの「ものづくりのちから」は部品作りという裏方に終始していました。匠の手で一つ一つ仕上げられた品物がまさに今、商品そのものとして表舞台に立ちます。
Factionery 003 CLIP が日本文具大賞2018で機能部門優秀賞を受賞しました。
とあります。
僕の本業も町工場ですので、勝手な想いかも知れませんが他人事のような気がしません。
さて今回、日本文具大賞機能部門優秀賞を受賞した「CLIP」以外にも、
- 001 JOHGI
- 002 CARD STAND
- 003 CLIP
- 004 CARABINER
- 005 PENSTAND
があります。
会場では全ての商品が展示されていました。もう全てが「凄い」の一言です。
004 CARABINER は通常はカラビナのように鍵を付けるものなのですが、二つの部分が簡易な知恵の輪のような状態になっています。別にカシメている訳でもなんでもないのに、メーカーの人が長期間使っていても自然に外れてしまう。ということはなかったとおっしゃっていました。
今回特に紹介したいのは、「002 CARD STAND」と受賞した「003 CLIP」です。
002 CARD STAND
よくありそうなバネを使用したカードスタンドです。
ですが、よく見ると円形のバネではなく楕円形で斜めのようなバネになっています。
いつまででも見ていられる美しさです。
このCARD STAND は先に記載した通り楕円形で斜めのバネのような形状のため、カードを挿した後に回転させるとカードの角度が変わります。
003 CLIP
日本文具大賞の機能部門優秀賞を受賞した商品です。
正直パッと見た限り、どういう用途なのか分かりにくいです。
これはクリップの上部に連結部が付いており、この連結部が回転するようになっています。
通常は複数の紙を一つのクリップで留めるのですが、そうするとページをめくったときに紙に折り目がついてしまいますよね。でも、この商品を使えば、1ページ1クリップで綴じて、それぞれのクリップを連結して使用するものです。
連結させる部分の回転が渋いかな?と思ったのですが、すっごいスムーズです。
シンプルなデザインながら、今までに無いクリップです。
共通する凄さ
このCARD STAND やCLIP は、金属加工で硬度・強度などを加工時より高めるために熱処理を行ったり、最終的には研磨を行うのですが、そうすると加工時とは形状が若干変わってしまいます。
それでもCARD STAND の形状の美しさ、CLIP に至っては連結部の大きさが100分の1mm狂うとガバガバとなって商品とはならないそうです。
日常生活をしていると、100分の1mmなんて誤差じゃ?と思われるかも知れませんが、実際に金属加工に携わっている身としては非常に大きな差です。でもその誤差を生じることなく量産できるようになっている。という町工場の凄さに思いを巡らせてしまいます。
パンフレットにも書かれている町工場の部品作りという裏方の凄さを、表舞台に立ち上げた非常に素晴らしい商品です。
日本には非常に多くの町工場があり、その町工場にはそれぞれ強みがきっとあるはずです。「モノづくり大国 日本」を裏方で黙々と支えてきた町工場のすごさをぜひこの商品を手にして感じて欲しいです。
明日以降もISOT の会場で気になった商品をピックアップして紹介していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。