(旧)カクかく

いつも側に寄り添っていて、人生を豊かにしてくれる文房具。そんな素敵な文房具をゆるく紹介します。

文字を「消す」ということ

みなさんはメモや忘備録を取ることはありますか。
全くないということは無いはずです。それでは書いた際に間違えたらどうしますか?

多くの社会人はボールペンを使っていると思うので、修正テープを使用されているのでは無いでしょうか。
僕もボールペンを使います。それにメインの筆記具は鉛筆です。なので、文字を消そうと思うと消しゴムが活躍します。

活躍します。と書いておいて何ですが、僕はあまり修正テープや消しゴムを使いません。
書類の性質上、消すことが望ましい場合以外は、ほぼ文字を消すことはありません。誤字や誤った内容は、打ち消し線で終わりです。文字を消すという行為をするのは僕にとっては稀な行為です。
ズボラな性格な上に、現代人の悩みの漢字のど忘れも頻繁にあるので、誤字・脱字は日常茶飯事です。
このブログでも、きっと誤字脱字が多いんじゃ無いかな・・・

それなのに書いた文字を消さない。というのは、矛盾していると思われます。
でも、僕は書いた文字を「消す」ということに抵抗があります。これは間違いなく小学校5・6年生の時の担任の先生の教育の賜物です。(僕の通っていた小学校では、5・6年生ではクラス替えがありませんでした。そして、担任も転勤などが無い限り同じ先生でした。)
その担任の先生が宿題や課題の提出において、明らかな誤り以外の修正を嫌っていたからです。
特に顕著だったのが、算数の授業です。
小学校の高学年になると方程式なども出てきて、途中式が大切になってきます。誤った回答を直すのに、自分の書いた回答を消して正しい答えに書き直すと叱られました。
それは自分の書いた回答がどこで誤ったのか、解らなくなるからです。例えば、途中式で計算間違いをしていても、書き直してしまうと、それが解らなくなるからです。
必ず自分の回答を残して、なぜ間違えたか解るようにする。というこの考え方が気に入って、算数に限らず多くの科目でも同じように字を消すことをしなくなりました。


この傾向は大学に入って研究室に出入りするようになってから、より強くなりました。
大学生ということで、シャープペンシルからボールペンが主な筆記具になったので、消しゴムから修正テープに文字を消す文房具は変わったのですが、修正テープは消しゴムほど気軽に使えず、より文字を消すという行為から遠ざかりつつあった。
そして卒業研究を行なっていると、明らかにおかしなデータが出てきても、それも記録していました。明らかに異常なデータは手順が適切でなかった為だとしても、それも1つのデータとして扱い間違っても消さない。そうすると「消す」という行為自体からますます遠ざかっていく一方なんです。


その結果、社会人10年を超えた今でも文字を消すという行為に違和感というか、消す行為自体を避けています。
文房具が好きで、世間一般の同世代よりも圧倒的に文字を書いているのに、文字を消すという行為は非常に避けている。
今でも業務メモで誤字や、間違えは消すことなく、打ち消し線を書くだけで、よく見れば書いてある内容が解る。
「三つ子の魂百まで」では無いけど、習慣になってしまうとなかなか切り替えることができない。

その為、消せるボールペンも使わないです。小学生の時の「誤りも記録である。」という考えを未だに実践していると当時の担任の先生が知ったらどう思われるでしょうね。